上総中野駅に着く。
サイクルトレインとHoyHoy。 |
ここから基本的に小湊鉄道の線路と養老川に沿って自転車で走り、五井駅まで戻るルート。
約50キロ程度の予定。
駅で観光案内をみていたら、このルートとはちょっと外れるが、近所に名瀑「粟又の滝」というのがあることが解って、まずそこへ寄り道することにする。
結構な登り坂をエッチラオッチラと7〜8キロばかり登って行くとその滝があった。
この粟又の滝は別名「養老の滝」とも言う。
ちなみに居酒屋チェーンの養老乃瀧は岐阜県の同名の滝にちなんだもので、こことは関係ないらしい。
滝の音と木陰のヒンヤリとした空気に浸ってしばらく和む。
さて行きますか、と再出発。
滝に来るまで結構登って来たので、こんどは快適に下り道基調。
上総中野駅近くまで戻って、五井駅を目指すルートへ戻る。
緩やかで長ーい上り坂と下り坂が交互に出現して、こんな風景がしばらく続いて行く。
天気も良く、風も無く、ちょっと暑いくらいだが快適、快調!
向かいから走ってくる自転車とすれ違うこともしばしば。
上総中野駅まで行って、帰りをサイクルトレインにするのだろうか。
あるいはもっと先まで走って外房の勝浦辺りまで行くのだろうか。
大概の人がペコリと会釈してくれるか、こんにちはーと声掛けしてすれ違って行く。
いい感じだなー。
21キロ地点で久しぶりに養老川が見えてくる。
道なりに橋を渡りそうになるが、右手に道があるのでそっちにルートを取る。
養老川を渡らずに右へルートを取る。 |
しばらく走って行くと今度は右手に急に湖が広がった。
高滝湖。 |
ダムでできた人工湖の高滝湖。
写真を撮ったりしてたらTaroさんにずいぶんと遅れをとってしまったので再度スタート。
すぐ先の踏切を渡ったところで待ってくれているのを見つけて合流。
自転車を降りたとたんにあの激痛が!また来た!!
しばらくジッとして収まるのを待つが、全く回復しない。
「コムレケア」も全く効果無し。
まだ29キロしか走っていないというのにどういうことなのか?
1時間程歩道の木陰のところで回復を待つがやっと歩ける程度にしか回復しない。
レスキュー呼ぶのが冗談ではなくなってしまった、と奥さんの顔が浮かんで冷や汗が出る。
TaroさんがiPhoneですぐ側に小湊鉄道の高滝駅があることを確認してくれる。
電車で五井へ戻ってはどうかと。
そうするしかないかなー、と話していると、「そうだ、じゃあ駅行って駅員に聞いてくる」とケルビム号で駅へ走って行ってくれた。
あっという間に戻ってくる。
ほんとに駅はすぐそこにある模様。
「無人駅だった」
あー、なるほど無人駅というのがあるのか。
無人駅ではあるが当然のことながら時刻表はあったそうで、それによると次ぎ来る電車は15分後。
それを逃すとその次は1時間半後だという。
ここでリタイアを宣言しておいらの養老渓谷サイクリングは終了となってしまった。
とほほほ。
今回のルート。
ヨロヨロと駅まで向かって歩く。
たかたき駅。 |
ただしこの時点でひとつの心配事があった。
サイクルトレインではない通常の電車に自転車を乗せることが出来るのだろうか?
輪行袋を持って来ていれば、タイヤを外して袋に入れて乗せられるはずだが、こんなことは想定していなかったので輪行袋は無い。
駅の貼り紙に「車掌は最後部に乗っています」との記載があったので、駅の最後部で車掌さんとすぐに話しが出来るように待機していた。
踏切がカンカンカンと鳴って、電車が入ってきた。
駅にはオイラとTaroさんの2人きりしかいない。
運転手さんがこちらをチラ見する。
1両目が前を過ぎ、2両目が過ぎて行く。
あれ?車掌さんが1両目に乗ってたぞ??
この電車は2両目が準備中の宴会車両になってて、乗客は1両目にしか乗っていないのだった。
駅の最後尾にいたオイラは慌てて車掌さんのところへ向かう。
が、脚が上手く動かないのでモタモタとしているうちにピーッと笛を吹いてドアが閉まってしまった。
ドアが閉まるのと車掌さんのところに到着するのがほぼ同時。
「すいません。乗せて下さい」と言う。
「自転車はこの電車には乗せられないからダメ!」
と言われる。
あー、やっぱりそうかー、と思いつつ
「1台だけ乗せさせてもらえませんか」
と食い下がってみる。
「袋に入っているならまだしも、袋に入ってないからもっとダメ」
予想通りだし、もっともな話しなのだが、
「怪我して動けなくなっちゃったんです。何とかなりませんか」
ともう一度食い下がってみる。
すると「怪我かー」という感じで車掌さんが宴会車両のおばさんと何か相談している。
と思ったら、プッシューとドアを開けてくれたのだ。
「ここの端っこで自転車邪魔にならないようにしてて」と言って乗せてくれたのだった。
ありがとう、ありがとうございます。
Taroさんは予定どおりに五井までのルートを走り抜くことにしたので、たぶん電車の方が早く着くと読んで、どこか飯の喰えるところを五井駅の周辺でオイラが探してTaroさんの到着を待つことにして別れる。
ガラガラだった車内に駅に着くたびに乗客が乗ってくる。
一人二人づつでも、車両が1両しかないのでどんどん座る席が埋まっていく。
自転車を抱えているオイラは肩身が狭い。
面白かったのは無人駅が結構あって、乗客が乗ってくると車掌さんが車掌室から出て来て、例のレトロな切符にパチパチとパンチを入れて乗車賃を回収する光景。
ほんとに小湊鉄道に一度乗ってみるのはお勧めです。
五井駅に到着。
無事帰還して、自転車持ちのオイラは周りの人に申し訳ないので、他の乗客が全部降りてから降車する。
するとなんだか無愛想だと思っていたあの車掌さんが寄って来た。
「怪我じゃ仕様がないから乗せたけど、改札出られないからあっちから出てくれるかな」
と鉄マニアの人だったらヨダレものの出口を教えてくれる。
改札方向とは反対の駅端から小湊鉄道の車両整備区間みたいなのがあって、そこを通してくれたのだった。
「今回は怪我ではしょうがないけどまた自転車乗りに来たらどうか」というようなことも言ってもらって結構ジーンと来た。
良い人だったんだ。すいません、ありがとうございます。
駅を出て自転車を押しながら、iPhoneで近所のファミレスを探していたら電話が鳴る。
Taroさんからだったので道中に何かトラブルがあったのかと思って電話に出たら、五井に着いたと言う。
電車とほぼ同じスピードで到着した。すごいね。
無事合流して話ししてると、朝のうちは調子悪くて実は自分も今日大丈夫かなと思っていたけど、オイラと別れてからは調子が戻って、一気に五井まで走り抜いたとのこと。
しかしオイラの痙攣をみていた彼は「あれはやっぱり尋常な脚ツリとは違う気がするので、病院行って検査した方が良い」と。
普通のことが途中で出来なくなるのでその通りだと思う。
近いうちに病院行ってみます。